旧暦の6月と同じ名の「水無月」は、氷をイメージした珍しい三角形の和菓子です。

むかしむかしの人々にとって、氷はとても貴重なものでした。
宮中では、6月に氷を頂くことができましたが、一般の人々にとって、氷は見ることも口にすることもできない贅沢なものでした。せめて氷に似たお菓子を作ろうと、氷のかけらに見立てた三角形になったと言われています。
三角形のういろうの上に、厄除けの意味がある小豆をのせて、これを暑い時期に頂くことで、夏バテをしないようにという願いが込められているそうです。
京都では、6月30日に頂くお菓子です。
6月30日は、一年のちょうど半分になるので、日常生活の中で知らず識らずに犯した罪や穢れを祓い清め、残り半分を健康で無事に過ごせますようにと食べるお菓子なのです。
この伝承文化を元に創られた福岡・博多オリジナルの季節の和菓子が博多水無月です。
今年で販売開始から26年目となります。
博多では「小豆とわらび粉を主原料にし、笹で巻く」ことをルールに配合や作り方は各店のオリジナルとなっています。
以上写真は、博多阪急で行われた共同催事の様子
「和菓子処 吉蔵」
小豆かの子(1個)270円
今年から博多水無月に参加された吉蔵(きちぞう)さん。
中央区六本松の和菓子屋さんで、大牟田に本店を構える老舗です。
吉蔵さんの博多水無月は京風で三角形に切ったういろうの上に小豆かの子をのせたもの。
もっちりとした食感で、控えめな甘さです。口に運ぶと、ほのかな笹の香りがするので、涼やかな気持ちになります。
今年のテーマは「目標。100年後のスタンダード!」

各店での販売期間は7月31日まで。