映画『MINAMATAーミナマター』が公開されています。ミナマタと言えば・・・

2005年11月26日に、熊本近代文学館(2016年1月に「くまもと文学・歴史館」としてリニューアル)で、石牟礼道子さん、伊藤比呂美さん、町田康さんの公開座談会「祈りと語り」が開催されて、聴講したことを思い出します。

お三方とも声が素敵でした。ぬくもりがあって、おおらかで、気高さと力強さがあって・・・

町田さんがご自身の著書の中から朗読された「なんか暗いのう」がとても印象に残っています。

なんか暗いのう

光が感じられる
しかしその光はたいへん弱々しい微かな光
そしてその微かな光はともすれば消えてしまいそうだ
わたしたちはどの道を行けばいい?
わたしたちはどの方向へ歩いていけばいい?
なにを頼りに歩けばいい?
微かな光を頼りに歩こうか
あるいは地上のネオンサインを頼りに歩こうか
わたしたちは微かな光を頼りに歩こう
そしてその光をもっと強く大きなものにしていかないとだめだ
そのために合体
そのために
合体

(町田康著『町田康全歌詞集 1977~1997』(マガジンハウス)から引用)